銀河英雄伝説(徳間書店版アニメ)の端役での出演者・第二期

      2016/05/27

 

第二期は一期と比して1話完結の話がほとんど無くなったことと、初登場の登場人物も少なくなったことから必然的に本項で紹介する項目は少なくなっている。その中で特筆すべきは本作でも異質となる40話である。40話は、田中芳樹が得意とするところの想像上の歴史を描いたもので、通常の主要人物はほとんど出演せず資料映像のナレーションと出演者による進行が行われる。これと同じプロットは三期の56話でも使用されている。

 第二期(27話~54話)

 藤城裕士

登場回 27話
役名 カール・ブラッケ
役回り  銀河帝国の開明派官僚

主に洋画の中年から老年の男性役での吹き替えが多く、アニメでもレイズナーのギルバート博士、彼氏彼女の事情の有馬の養父・総一郎、ギレンの野望シリーズのティンアム提督など、常識的で落ち着いた雰囲気の中年以上の男性を多く演じている藤城も本作でチョイ役出演している。ブラッケは後に新銀河帝国で民政尚書を務めることになるが、27話では実権を握ったラインハルトに抜擢される官僚の一人となっている。このときは、ラインハルトによる改革を正面からは歓迎できないことを同じく登用されたリヒターに吐露する役となっている。ブラッケはローエングラム朝の有力者となってアニメで後に何度か再登場しているのだが、残念ながらセリフがあったのはこの回だけとなっている。

 辻村真人

登場回 27話
役名 オイゲン・リヒター
役回り  銀河帝国の開明派官僚

大河などテレビドラマや、特に伊丹十三作品で端役でたびたび起用され、アニメでは忍たま乱太郎の学園長、パトレイバーの実山、ネギまの学園長などの老人役、仮面ライダーの多数の怪人のアテレコなどを演じた俳優の辻村真人も、チョイ役で出演した。役回りはブラッケと共に、ラインハルトの改革について話し合う官僚の一人となっていて、リヒターの方はラインハルトを積極的に肯定しようという姿勢のみられる演技だった。

 山崎たくみ

登場回 28話
役名 フェルデベルト
役回り ラインハルトの副官

Gガンダムのジョルジュ・ド・サンド、レイアースのフェリオ、デビルマンレディーの前田清、ヘルシングのインコグニート、しましまとらのしまじろうのとりっぴぃ、MEZZOシリーズの原田、Fateシリーズのケイネスなど、演技の幅が広いいわゆる潰しの利く役者として重宝されている山崎たくみも、チョイ役で出演している。役回りとしては、キルヒアイス亡き後帝国宰相まで兼任することになったラインハルトの副官という非常に重要な役どころなのだが、本来敵側陣営だったシュトライトを抜擢するまでの物語的な”引き立て役”の役回りのため、抜けた使えない人材として扱われている。そのため、山崎の演技も肝心なところが抜けた若者を表現した形で演じている。

 吉田理保子

登場回 30話・35話
役名 ※役名なし
役回り ケンプ提督の妻

アルプスの少女ハイジのクララ、魔女っ子メグちゃんのメグ、ゲッターロボのミチル、魔女っ子チックルのチックル、ベルサイユのばらのロザリー、まいっちんぐマチ子先生のマチ子など70~80年代にかけて主要なヒロイン役を多く演じ、洋画でもエイリアン3のシガニー・ウィーバー、ターミネーター2のリンダ・ハミルトン、アルフのアン・シェディーンなど多数演じた吉田理保子も、本作でチョイ役で出演している。吉田理保子は知っての通り90年代末に声優業を引退しキャスティングやプロデュースに転向しているが、本作での出演はキャリア終盤での一作となった。第8次イゼルローン攻防戦に司令官として出征するケンプが、二度と還らないことになる夫を子供たちと気遣い、戦後敗戦と戦死を知らせにきたメックリンガーに対してただ泣き崩れる妻としての演技だった。

 真地勇志

登場回 33話・52話
役名 ドレウェンツ(Drewentz)
役回り ミュラーの副官

金曜日のスマたちへ、あいのり、秘密のケンミンSHOW、世界ふしぎ発見などのバラエティ番組や、ニュースJAPANなどの報道番組でもナレーションを務め、アニメでは数は少ないもののセーラームーンのうさぎの父などを演じた真地も、本作にチョイ役で出演している。本作での役回りとしては、ガイエスブルク移動要塞を擁した第8次イゼルローン攻防戦においてのミュラーの副官としてリューベックに座乗していた士官役。単独行動したミュラーが同盟の通信を傍受してヤンのイゼルローン不在の情報を手にして悩む姿をみて副官として質問する声はかなり若めの声に聞こえ、現在ナレーションで良く聞かれる声とは質が違うように感じられる。

 江森浩子

登場回 37話・38話
役名 エルウィン・ヨーゼフ2世(Erwin Josef von Goldenbaum II)
役回り 銀河帝国第37代の5歳で即位した幼帝。

レイズナーのアンナ、鬼太郎第三シリーズの砂かけばばあ、ドラゴンボールの餃子など助演的な立ち位置で多数のアニメ出演をする一方、長年世界まるみえテレビ特捜部、天才志村どうぶつ園などのバラエティ番組でナレーションや吹き替えを演じる江森も、本作にてチョイ役で出演している。役回りは病気急逝した前帝から、ラインハルトやリヒテンラーデ侯から担ぎ出された幼帝であり、且つこの人物は先天的に多動児で手のつけようもない「山猫の類」として描かれている。江森の演技は少年や少女ヒロインから怪しい老女まで幅は広いが、本作でもその演技が少ないながら活かされた。江森はこの役以外に、1期13話で、玉川紗己子演ずるフィーアの幼い息子として、一言だけで出演している。

 島香裕

登場回 38話
役名 ボーメル(Bawmel)
役回り 商船「ロシナンテ」船長

ビデオ版ディズニーアニメでのグーフィーや、ジリオンのニック、ドラグナーのベン・ルーニー、ガンダム宇宙世紀シリーズのミハイル・カミンスキーなど大男や職人的な男性を端役で演じることの多い島香裕も、本作で同じような役どころで出演している。役回りはルビンスキーに扇動された門閥貴族に誘拐される皇帝エルウィン・ヨーゼフ2世を同盟側へ亡命させるフェザーン商船の船長だが、乗客が皇帝と知らない船長たちは、素性をしらないためにどうにも手のつけようのない癇癪もちの子供に対してあきれ返り、船員たちをなだめ、亡命者の随員たちに一般常識人として助言する役目だった。

 久米明

登場回 40話
役名 ※役名なし
役回り 地球史資料ビデオのナレーション

大河ドラマをはじめ映画、テレビドラマ、バラエティ番組等でおなじみの著名な俳優である久米明が、異色の回である第40話にてほぼ一篇通してナレーション役を務めた。久米明はご存知の通り、鶴瓶の家族に乾杯、すばらしい世界旅行、警視庁潜入24時シリーズなどナレーション役を多く務めており、アニメでもナレーション役で何度か起用されている。本作では、ユリアンが地球に向かうにあたって地球史を事前に学んでおきたいという意図の元に鑑賞するドキュメンタリー番組でのナレーションを行っており、作品の主要人物はほとんど出演せず、ほぼ全編が久米のナレーションで構成されているという異色の回である。

 千葉繁

登場回 40話
役名 E. J. マッケンジー
役回り 地球史資料ビデオ内でコメントする思想史専攻の歴史学者

奇面組の一堂零、うる星やつらのメガネ、パトレイバーのシバシゲオ、パーマン第二シリーズのサブ、北斗の拳のナレーターおよび数々のやられ役、ぴえろ魔法少女シリーズの国光などの端役、めぞん一刻の四谷など挙げればキリのないほどその独特の声質と演技で有名な千葉繁も、本作では特殊な役回りでチョイ役出演している。本作では、千葉繁の持ち味である変人的な演技は抑えられ、常識的な学者として人類の歴史をそのままなぞらえたような地球史に少しアイロニーを込めたコメントをする役どころとなっている。本作はキティフィルム制作ということもあり、うる星やつらなど同社制作で多く起用された声優陣は主要な役どころでほぼ網羅されているものの、千葉繁は本作では物語の性質上使いにくかったからかこの40話のみの登場となっている。

 緑川光

登場回 41話
役名 ※役名なし
役回り 元帥府前でデモをする民衆の一人

ガンダムWのヒイロ、スレイヤーズシリーズのゼルガディス、ふしぎ遊戯の鬼宿、彩雲国物語の静蘭、Fate/Zeroのランサー、リトルバスターズの恭介など90年代中盤から現在に至るまで当代を代表する男性声優である緑川も本作ではたった一言だけ、しかもほぼガヤ的な役割で出演している。ラインハルトを皇帝に推戴する民衆デモの一人として気勢を上げる役で、その声からは緑川その人の声と分かりにくいものの、そのような役でもしっかりとエンドクレジットされていた。緑川は本作とほぼ同時期にサイバーフォーミュラで初めての名前付きの役を得た。本作の出演は彼のキャリア下積み時期での貴重な”その他大勢”の役だったといえる。

 西尾徳

登場回 42話
役名 ヴィオラ
役回り 同盟軍フェザーン駐在高等弁務官事務所主席武官

舞台俳優で70~90年代前半に至るまで刑事ドラマや特撮ものの端役、ナレーションや怪人のアフレコなどで出演が多く、アニメでもゲッターロボの巴武蔵、侍ジャイアンツの大砲万作を始め、大男を演じることの多かった西尾徳が、やはりここでも大男の役を演じている。ヴィオラ大佐はトリューニヒト派の軍人とされ、派遣されてきたユリアンらをあまり良く思わず、物語の筋に反してユリアンに対して皮肉や、その発言を制する役どころとなっている。

 小野坂昌也

登場回 46話
役名 ウノ
役回り  キャゼルヌに報告に来る下士官

TRIGUNのヴァッシュ・ザ・スタンピード、ツヨシしっかりしなさいのツヨシ、SLAMDUNKの相田、魔法使いTaiの高倉、はじめの一歩の千堂、アクエリオンのピエール、よんでますよアザゼルさんのアザゼル、ヘタリアのフランス、ワンパンマンのぷりぷりプリズナーなど90年代以降主演級を務め、またその個性を生かしてアニメ系のCS番組等の出演が多い小野坂も、本作で声優としてのキャリア初期に一言だけのチョイ役を演じた。役としては、第9次イゼルローン攻防戦でイゼルローンを放棄することになったヤン率いるイゼルローン守備隊が、放棄を前に混乱する民衆から抗議の声があがっていることをキャゼルヌに伝えに来る下士官となっている。後に個性あふれるものとなる小野坂の演技とは程遠い、ほぼその他大勢のレベルの役どころであり、これが彼の声優キャリアのごく初期のものであることを物語っている。また44話でもウィロックが演説をするバーでモブ的なセリフがある。

 飯田道郎(飯田道朗)

登場回 52話
役名 ウェルナー・アルトリンゲン(Werner Altringen)
役回り バーミリオン会戦時のラインハルト直属部隊司令官。

宇宙刑事ギャバンのハンターキラー、電撃戦隊チェンジマンの女副官シーマの吹き替えなどで特撮ファンにはあまりにも有名な俳優の飯田道郎もチョイ役で出演している。役どころはバーミリオン会戦終盤で、いよいよラインハルト直属艦隊まで肉薄し混乱して負け戦を覚悟し始めた帝国軍内部を象徴するような一司令官の役となっている。飯田はもともとあまりアニメには出演しない俳優のため多少演技にぎこちなさがあるものの、ラインハルトから心無い言葉を頂戴して自棄になるあたりは往年の特撮悪役の演技を彷彿とさせるものがある。

 広森慎吾(拡森信吾)

登場回 52話
役名 コールドウェル
役回り 第13艦隊第2航空隊副隊長大尉

Zガンダムのアストナージ、ガンダムZZのビーチャ、Vガンダムのジニス、ガサラキの広川、旧声優陣でのドラえもんで大人になったのび太と小池さん(TV朝日版オバQでも)など80~90年代にかけて助演的な位置で出演が多く、またスーパーJチャンネルやスーパーモーニング、ニュースプラス1などの報道番組でのナレーションの多い拡森も、本作で端役にて出演している。役どころは、ポプランのライバルであった第二航空隊隊長コーネフがバーミリオン会戦で戦死した際に、ポプランからコーネフのことを聞かれ、上官が戦死し自身が現在代理である旨を寂しげに伝える役である。コールドウェル自身はその後も生き残り、イゼルローン共和政府の軍議でも顔が見えるものの残念ながらセリフがなかったため拡森の出演はこの際の会話のみである。

 麦人

登場回 52話
役名 オーブリー・コクラン(Aubley Cochrane)
役回り  リューカス星域同盟軍補給基地司令官

スタートレックシリーズのジャン・リュック・ピカードの吹き替えで特に有名で、アニメではエヴァのキール・ロレンツ、ぱにぽにだっしゅの宇宙人艦長などシャフト新房昭之作品のほぼ全てなど、独特の低い味のある声が有名な俳優の麦人(寺田誠)もチョイ役で出演している。役どころはバーミリオン会戦前にミュラー艦隊が本隊から離れて侵攻を受ける、補給基地の司令官役なのだが、主戦を主張する部下を抑えて無闇に戦闘を行わなずに降伏するものの分かった上官としてその落ち着いた声質が活かされた。

第三期へ続く

おすすめ

 - 日本, 日本の文化