元素の一覧・その1(1~5)

      2016/04/15

リチウム

概要

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元素記号 / 元素番号 Li / 3
英語名 / ラテン語名 lithium / lithium
元素の分類 / 族 / 周期 アルカリ金属 / 第1族 / 第2周期
相 / 色 固体 / 銀色
融点 / 沸点 180.54℃ / 1330℃
発見者、発見年 ジョゼ・ボニファシオ・デ・アンドラーダ・エ・シルヴァ / 1800年

性質

 最も軽い金属元素で、比熱容量は全固体中元素で最も高い。また固体金属としては非常に展性がある。酸化還元電位が最も低く、自然界で単一の元素として存在しにくいことを表している。恒星で消費されやすく宇宙において単体で存在することは希少であり、地球上においても何らかの化合物として多くは存在している。また、研究では人間の健康に与える好影響が報告されている。

自然界での分布状況

 リチウムはビッグバン発生時に水素とヘリウムと共に発生した最初の元素と見られているが、宇宙には多く存在していない。褐色矮星などで存在が確認できる。地球上においては広く分布しており、特に海水中には大量のリチウムが存在し、更に海中の熱水噴出孔では高濃度のリチウムが存在している。また火成岩にも含まれ特に花崗岩では濃度が最大となる。また水分蒸発量の多い乾燥した地域の塩湖においても長期間にわたって濃縮されて鉱床を形成していることが分かっている。また生物においても、植物や無脊椎動物の体内にも存在している。

 生成方法と利用

 最大の利用先は陶磁器やガラス製造における窯業で、全消費量の29%を占める。次いでリチウム電池での使用量が27%で、近年自動車など大容量の需要があることから今後も更に拡大するものと見られている。更に工業用途としては、重工業での耐熱・耐圧用グリースとして、鋼を連続鋳造する際の融剤として、合成ゴムの触媒としても用いられる。他にも、空調から核兵器まで様々な機器の冷媒として、はんだ付け時のフラックスとして、炎色反応を利用した発煙筒として、ロケットの推進剤として、さらに躁うつ病の治療薬としてなど、利用はあらゆる方面にわたっている。

 地表に比較的多く存在するリチウムだが、塩湖を利用したリチウム鉱脈からの採取はアルゼンチンとチリにおいて大規模におこなわれているものの、比較的他国では行われていない。潜在的にはアメリカ及びボリビアが多く埋蔵しているとみられている。生産量の大きな方法としては、花崗岩の一種であるペグマタイトからタンタルを製造する過程において副生成物として大量に製造できる。これらはオーストラリアやジンバブエ等で多く見られ、オーストラリアはアルゼンチンに次ぐ世界二位の生産量を誇っている。将来的には地熱井及び海水からの採取が有力視されており、特に地熱井での操業は現状の技術でも十分可能とされている。海水からの生成技術は日本でも佐賀大学などで盛んに研究されている。

 リチウムは将来にわたって最も消費量が多くなる元素と見られているが、鉱脈や海水から得られる量はそれを上回ると考えられており、枯渇する可能性がない。また大量に消費されるものの、リサイクル技術はほぼ確立されておらず、使用後は廃棄される一方となっている。

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