元素の一覧・その1(1~5)
2016/04/15
ヘリウム
概要
元素記号 / 元素番号 | He / 2 |
英語名 / ラテン語名 | helium / helium |
元素の分類 / 族 / 周期 | 希ガス / 第18族 / 第1周期 |
相 / 色 | 気体 / 無色 |
融点 / 沸点 | -272.2℃ / -268.93℃ |
発見者、発見年 | ピエール・ジャンサン / 1868年 |
性質
すべての元素の中で最も沸点が低く最も軽い。重加圧下でしか固体にならず、絶対零度下でも通常は液体であり、基本的には単原子ガスとして存在している。また比熱容量が非常に高いため高音下で急速に膨張する。
自然界での分布状況
水素に次いで宇宙で2番目に多く存在する元素である。その多くは星間ガスや恒星において基本的に不活性の単原子ガスとして存在する。地球では大気中にも存在し、鉱物や天然水の中にも溶け込んでいる。
生成方法と利用
水素同様非常に広範囲に利用されている。まず、単体のヘリウムガスとして気球用途全般に使用されている。気球は広告用、遊戯用から始まり観測用、飛行船、軍事用などの大規模なものまで様々に利用されている。また、潜水用呼吸ガスには窒素に代わって広く用いられている。工業的には、最も低い沸点を持つ元素として超電導研究の分野で用いられ、リニア中央新幹線では大量に使用されることになる。また現代の工業では欠かせない技術であるアーク溶接は多くはヘリウムを含んだ大量のシールドガスを使用している。医療分野では心臓補助のためのIABPで使用されたり、MRIなどの超電導磁石の冷却に使用されている。このほかにもガスの充填剤や冷却材、あるいは非破壊検査などに大量に用いられ、将来的には燃料としても期待されている。
人工的な生成は難しく、原則として天然ガスに含まれるものを抽出することによって生成されている。比較的近年まで20世紀初頭に発見されたアメリカ合衆国カンザス州デクスターのヘリウム田が世界のほとんどの需要を生産してきたが、その後カナダ、ロシア、ポーランド、カタールなどでヘリウム田が発見され、特に20世紀末に発見されたアルジェリアのヘリウム田が稼働すればアメリカに次ぐ一大生産国になるとみられている。しかし、ヘリウムの需要は新興国の台頭に伴って増える一方で近い将来に供給不足と価格高騰が始まるとみられている。